週足の平均足(Heikin-Ashi)の読み方
日足は1日に何度も気が変わります。1週間を「平均足」ひとつにまとめると、大きな方向だけが残ります。計算法から、決定価格を逆算する式、結果を変える落とし穴まで、ビットコインの実際の数字でまとめました。
1. 基本の計算は3行
- 平均足の終値 = (今週の始値 + 高値 + 安値 + 終値) ÷ 4
- 平均足の始値 = (先週の平均足の始値 + 先週の平均足の終値) ÷ 2
- 実体 = 平均足の終値 ÷ 平均足の始値 − 1
平均足の始値は先週の値から決まる再帰式です。そのため、各週の平均足には、それまでの週の動きが少しずつ含まれています。
2. 計算してみましょう:ビットコイン 2020年10月5日〜11日の週
| 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|
| 10,670.01 | 11,498.98 | 10,524.00 | 11,374.01 |
- 平均足の終値 = (10,670.01 + 11,498.98 + 10,524.00 + 11,374.01) ÷ 4 = 11,016.75
- 平均足の始値 = (10,710.68 + 10,692.50) ÷ 2 = 10,701.59
- 実体 = 11,016.75 ÷ 10,701.59 − 1 = +2.95% → 1%を超える緑
Coinbase BTC-USDの日足(TradingView COINBASEと同じ価格)を月曜〜日曜(UTC)でまとめた値です。
3. 色の読み方:1%ルール
- 実体が+1%を超えれば緑 — 翌週に買い
- 実体が−1%を下回れば赤 — 翌週に売り
- その間は小さな足 — ノイズとみなして無視(保有中の小さな赤は警告にとどめる)
4. 同じ時期の5週を続けて見ると
日足では上げ下げの多かった3週が「小さな足」に整理され、方向が出た週から色がはっきりします。
| 週 | 実体 | 読み |
|---|---|---|
| 2020.9.14–9.20 | −0.77% | 小さい · 無視 |
| 2020.9.21–9.27 | −0.07% | 小さい · 無視 |
| 2020.9.28–10.4 | −0.17% | 小さい · 無視 |
| 2020.10.5–10.11 | +2.95% | 緑 |
| 2020.10.12–10.18 | +5.47% | 緑 |
5. 決定価格を逆算する(例外あり)
週の途中で知りたいのは「今週の終値がいくらならシグナルが切り替わるか」です。目標とする平均足の終値をTとします(買い:T = 平均足の始値 × 1.01、売り:T = 平均足の始値 × 0.99):
- 基本:決定終値 = 4 × T − 始値 − 高値 − 安値
- 例外 ①:その値が今週の安値より低い場合、終値が新しい安値になるため、決定終値 = (4 × T − 始値 − 高値) ÷ 2
- 例外 ②:その値が今週の高値より高い場合、終値が新しい高値になるため、決定終値 = (4 × T − 始値 − 安値) ÷ 2
上の10月5日〜11日の週:買いのT = 10,808.60 → 4 × T − 始値 − 高値 − 安値 = 10,541.42(安値と高値の間)→ 終値が10,541.42を上回れば1%を超える緑になります。売りのT = 10,594.57 → 基本式では9,685.29となり、安値(10,524.00)より低いので例外 ①を使います。決定終値は10,104.65です。
高値と安値は週の途中でも変わり続けるため、決定価格も毎日計算し直す必要があります。
6. 結果を変える3つの落とし穴
- 最初の週の初期値:データ最初の平均足の始値は (始値 + 終値) ÷ 2 から始まります。起点が違えば、最初の数週の値が変わります。
- 週の区切り:TradingViewの暗号資産の週足は月曜〜日曜(UTC)です。金曜締めなど別の区切りでまとめると、同じ価格でも色が変わることがあります。
- 取引所の違い:2018年11月のある週のようにほぼ横ばいの週は、取引所の価格(CoinbaseかBitstampか)によって色が逆になることがあります。1%フィルターがこうした週をふるい落とします。
7. 実際の事例:2020年10月からの28週
緑の週が終わった翌日(2020年10月12日)の始値$11,374で買っていれば、実体が初めて1%を超える赤で終わった2021年4月19日〜25日の週(−9.11%)の翌日に$49,121で売ることになります。売買コスト0.1%を引いて+331%です。
直前の4月12日〜18日の週は実体+1.19%で、まだ緑でした。売った後90日以内に、ビットコインは$29,796まで下がりました。
8. 限界
このルールはいつも勝つわけではありません。2015年以降のビットコインでは52回の取引のうち勝ったのは24回だけで、横ばい相場では小さな損失(平均−8.5%)が何度も出ました。大きなトレンド1回(勝ちトレードの平均+53%)がそれを埋める仕組みです。暗号資産の週足に合わせたルールなので、株ではただ保有するより結果が劣りました。
9. 手で計算する場合の毎週のチェックリスト
- 週足が日曜24:00 UTCに確定したら、その週の始値・高値・安値・終値を同じ取引所から書き留めます。
- 先週の平均足の始値と終値から、今週の平均足の始値を計算します(1週でも抜けると、それ以降の値がすべてずれます)。
- 平均足の終値と実体を計算し、+1% / −1%と比べます。
- 翌週に使う決定価格を逆算し、週の高値や安値が変わるたびに計算し直します。
- シグナルが出た週だけ翌日(月曜)に売買し、そうでなければその週は見送ります。
これを毎週、手で計算しますか?
エクセルを開いて頭を悩ませる必要はありません。Calm Candleをチャートに入れておけば、週足の平均足と決定価格を毎週自動で描いてくれます。週が終わってはっきりした陽線なら「来週買い」、はっきりした陰線なら「来週売り」と一文で教えてくれるので、週に一度その一行を見るだけです。
Calm Candleを見る →チャート分析を助ける資料です。利益を保証するものではなく、投資には損失のリスクがあります。表と事例は過去のデータで計算した結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
平均足(Heikin-Ashi)は公開されている計算法です。ローソク足チャートは18世紀の日本の米商人・本間宗久が作ったとよく言われますが、本当に考案者かどうかは確かではありません。